もとはといえば、いろんな職業を経験されているんですよね。
「そうですね、最初からラーメン屋さんになりたいっていう気持ちは無かったですね。」
「高校を卒業してから、情報処理の専門学校に行って一年で中退しまして。」
え!パソコン系ですか?
「そうです、まあ、でも今はパソコンはさっぱり(笑) 今からは情報化の時代だと・・・考えが浅いというか、ええ(苦笑)」
「専門学校時代に居酒屋でバイトをしていまして、社員にならないかって言われたのをきっかけに、学校を辞めて社員になったんですよ。
学校の内容が自分に合っていなくてどうしようかなあって相談してたら、じゃあ、ウチに来んかって話になって」

その3年後、夜の仕事ばかりじゃなく昼の仕事をしたらどうだってっていう友人からの紹介で酒屋さんの社員で働くことになった綾部さん。
「25歳までにやることを決めれば、それまでは何しててもいいやって思っていたら、その年になっても何も決まっていないことになって・・・じゃあ30歳までに決めようって違う仕事を経験したいなって。」
その後、飛び込みの営業職や引越し屋さんを経験。
そしてこの頃に人生を決める人を酒屋時代の友人に紹介された。
龍(ロン)の初代オーナーでラーメン屋さんの他にも宅配ピザ屋や中古CD屋さんなどを手広く経営する人物だった。
初代はなんと独自に研究してラーメンの味を完成させた人。
2号店3号店と店舗展開していくために任せられる人として綾部さんに綾部さんの友人を通して声をかけてこられたのだ。
修行は厳しいものだった。
「何も隠さない人で、『俺は隠すものなんて何も無い』って何でも全部教えてくれましたね。 秘伝中の秘伝といえるラーメンの元ダレの作り方だって、こうやって作るって教えてくれましたし(笑) 独立後から何年間かのれん代を払ったけど、今は払い終わってそれも無いですし。」
ええ?それは常識的には考えられないですよね。
作っては譲っての人なんですね。
「そうですね(笑)」
何をしようか探し続けていた綾部さん。
一見何も関係ない酒屋の仕事をしている時にその真面目な仕事ぶりをひそかに評価していた人物からチャンスをもらって現在がある。
ラーメン屋さんおもしろいですか?
「そうですね、教え方は厳しくて大変だったんですけど、おかげで、半年で任せてもらえるようになって」
らーめん屋さんをやっていて一番面白いところはどこですか?
「やっぱりスープですね。同じものを同じように作っても、やっぱり簡単じゃないっていうかですね。
ほんとにドンピシャっていうのは、今でも意図的に同じこれっては、百発百中っていうと・・・できない。」

ここは取り切りスープですか?呼び戻しスープですか?
「呼び戻しです。」
呼び戻しの方が難しいって言いますよね。初代は独自でやったのに呼び戻しだったんですか?
「大砲の香月社長と面識があっていろいろと助言とかを聞いていたみたいです。それで、呼び戻しにしたみたいですね。」
呼び戻しって難しくて20年以上やっている職人さんでもカンですって言われますからねえ。
「そうです、最初に習うときにもこれはどうですかって聞いても、カンよカンって(笑)今になって思うと本当にそうだなって思いますもんね、このことを言っていたんだなあって・・・当時はもう少し教え方ってないのかなって思ってましたけどね(笑)」
何を何キロ、何を何キロで水を何リッターで何時間強火で煮込むと出来上がりじゃあないんですもんね。
「ほんと、そうですね。もしそうなら人に任せて店を離れられて簡単ですけどね(笑)」
作っては譲る人だったため現在一号店は他のオーナーに譲られて無い。
綾部さんの人生を変えた初代は50歳で2010年に亡くなられた。
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